美容・健康機器で知られる株式会社MTG。「ReFa」や「SIXPAD」などのブランドを展開し、国内外で高い知名度を誇ります。
しかし、近年、同社は不適切会計問題が相次いで発覚し、その信頼性が揺らいでいます。
2019年の中国子会社での不正に続き、2024年には国内子会社における過少計上が明らかになり、経営体制への批判が高まっています。
本記事では、これらの問題の詳細と、MTGが信頼回復に向けて取り組むべき課題を深掘りします。

MTGの不適切会計問題とは?
中国子会社での売上過大計上問題の全貌
MTGの初めての不適切会計問題が表面化したのは2019年。中国子会社「MTG上海」において、売上を過大計上していたことが明らかになりました。
同社は調査のために第三者委員会を設置し、独立した視点から問題を分析。その結果、売上の実態と計上内容に大きな乖離があることが確認されました。
これにより、MTGは金融庁から課徴金366万円を科され、同年の決算においても大幅な修正を余儀なくされました。
この出来事は、MTGの内部統制が十分でないことを露呈しました。
特に、急速な事業拡大の中でガバナンス体制が追いついていなかった点が指摘されています。
度重なる不正の影響:2024年の再発内容を解説
さらに問題が再燃したのは2024年のことです。
今回、不適切会計が発覚したのは連結子会社「株式会社M’sエージェンシー」でした。
この子会社では、広告関連費用の仕入計上に関する書類が改ざんされ、費用の計上年度が意図的にずらされていた疑いが持たれています。
調査が進む中で、累計約6億6,000万円もの費用が未計上である可能性が浮上しました。
2024年12月12日にMTGが公表したところによれば、この問題は社内での監視体制の甘さに起因しています。
この件はMTGの信頼性にさらなる打撃を与え、投資家や取引先の間で大きな波紋を広げました。
累計6億6,000万円の過少計上が意味するもの
過少計上が明らかになった額は6億6,000万円にも上ります。
この規模は、MTGの業績に与える直接的な影響を越え、同社の内部統制に対する信用問題を浮き彫りにしました。
、グローバル展開を目指す企業としては、こうした問題が海外市場での信頼にも波及する可能性があるため、課題は深刻です。
株式会社MTGの信頼回復に向けた取り組み
ガバナンス強化に動くMTG:新会長の役割とは?
2019年の不適切会計問題を受けて、MTGは再発防止策を講じました。
その一環として、新たに会長職を設置し、大田氏が就任しました。
大田会長は、日本航空の再建に携わった実績を持つ人物であり、企業のガバナンス強化において期待されています。
会長職の新設により、経営の透明性を高め、意思決定プロセスを改善することが狙いとされています。
しかし、2024年の再発問題が示す通り、まだまだ課題が残されています。
企業としての再出発:再発防止策の詳細
MTGは、内部監査部門の強化や社員教育の徹底を通じて、再発防止に努めています。また、外部からの独立した監査を導入し、透明性の高い経営体制を構築することを目指しています。
特に、子会社の管理体制を見直し、各拠点での内部統制を強化する方針を打ち出しました。
消費者と投資家への信頼回復のために必要なこと
MTGが信頼を取り戻すためには、再発防止策を着実に実行し、その成果を明確に示すことが求められます。
消費者や投資家に対する誠実な対応と情報公開が、長期的な信頼回復の鍵となるでしょう。

ブランドへの影響と今後の展望
ReFaやSIXPADに対する消費者イメージの変化
不適切会計問題の影響で、MTGのブランドイメージが損なわれる可能性があります。
特に、美容や健康を重視する消費者は、製品そのものだけでなく、企業の信頼性にも敏感です。
そのため、今回の問題を受けて消費者が製品購入を躊躇するケースが考えられます。
不適切会計が引き起こすビジネスリスクとは
不適切会計は、取引先やパートナー企業からの信用低下につながり、新規契約や取引条件の悪化を招くリスクがあります。
また、競合他社がこうした問題をプロモーションに利用する可能性もあるため、早急な対応が求められます。
信頼を取り戻すために必要な透明性の高い経営
今後、MTGが市場での信頼を取り戻すには、継続的なガバナンス改善が不可欠です。
社内外のステークホルダーとの連携を深め、信頼の再構築に向けた取り組みを推進することが重要です。
まとめ
株式会社MTGは、2019年と2024年に不適切会計問題が相次いで発覚し、企業の信頼性が揺らいでいます。
同社は再発防止策やガバナンス強化を進めていますが、信頼回復には時間がかかるでしょう。
透明性の高い経営を継続的に行い、消費者や投資家に誠実な姿勢を示すことが、今後の課題となります。
